中学・高校時期のアスリートに対する成長段階に合わせたトレーニング負荷を考える〜経験編2〜

前回からの続きです。

無事国体にてリレーを走りきったMさん。


その後高校に進学して陸上競技を続ける事に。


その後こんな噂を耳にするようになりました。


『Mさん、あのリレーの後から足の状態が悪くなり走れてないらしい。』

『短い距離は足に負荷が高く痛みが出るから、距離を長くしているらしい。。』



どうやら噂は本当でMさんは、

当時の傷が悪く治ってしまい専門種目だった100mから距離を伸ばし、

400mに転向をする事となりました。


ここからは私の個人的な想像の話ですが


・あの時リレーを辞めさせていたら悪化はせずにすんだのか。

・処置や対応にもっと工夫できる事があったのか。

・それとも全く別の問題で距離を伸ばす事になったのか。


など、想像はつきませんが色々と思ったことを覚えています。




時は流れMさんが高校3年生になり。。


再び国体に出場する事になります。


距離を伸ばした400mでの出場です。


どんな種目でも能力が高い人は結果を出してくるものです。


その大会で私はMさんにこのブログで書いているような事を話をしました。

後悔している部分もある、と。


人が良く、前向きな考えのMさんにとっては過去の事と思っており

後悔はない。と言ってくれました。




そして結果。。

Mさんは予選を通過し、決勝の舞台で活躍してくれました。

大学でも競技を続け、無事に競技をやり切る事が出来たようです。




これは珍しいハッピーエンドと言って良いケースです。

怪我が原因で引退していく選手、できなくなった選手は相当数います。


私はこのハッピーエンドばかり求めていてはいけないと思っています。



今でもあの時のリレーは辞めさせた方が良かったと思っています。

これからは開業した事により、中高生のアスリートと多く出会う事になると思います。



昔、クラウド・アトラスと言う映画がありました。


この映画の内容は大昔のある人が勇気を持って未来のために行動した事が

運命的に回り回って、数百年後の誰かの為に繋がると言う話です。


誰かの経験や思いは、まだ見ぬ誰かの為に・未来に繋がっていくと思っています。


そう言った思いでこれからも治療して行きたいと思っています。